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2017年09月18日
▼「権力」という言葉にはどうしても「悪」というか決して持ってはならないようなマイナスのイメージがまとりついている。どちらかというと「権力を持つ＝悪人、強者、勝者」という感じで、常に批判の的にされる。
▼だから政治家や経営者、組織のトップなどは権力者として見られるし、マスコミからは絶好のターゲットとしてネタにされる。権力者じゃないとネタとして面白くないのだ。また組織内でも権力者に反抗することが正義であり勇気のように勘違いして目立とうとする小心者も多い。
▼「権力」とは悪いものなのだろうか。なぜ、権力にはマイナスのイメージが強いのだろうか。「権力」を国語辞典で調べると【他人を強制し服従させる力。特に国家や政府などがもつ、国民に対する強制力。「権力を振るう」「権力者」】とある。
▼どうもこの「強制力」とか「服従させる力」いう言葉に、なんとも高圧的な破滅的な非人道的な印象を受ける(苦笑）。でも、正規のスポーツの審判もこの服従させる力を持っているし、警察や検察、裁判官、税務署などは大きな強制力を持っているではないか。
▼私が思うに「権力」とは人々を目指す方向へ向かわせる力であり、二人以上の集団には必要で、リーダーシップを発揮するには絶対に欠かせない力だと思う。私は組織でいう「権力」という言葉は「影響力」や「指導力」「牽引力」と言う言葉と同義語だと思う。だから組織を変革したり大きく方向転換したり成長させるには「権力」は絶対不可欠だ。
▼6月に読み終えた『「権力」を握る人の法則 」 ジェフリー・フェファー(著)』という本の中に 大変興味深いことが書かれてあった。ちなみにこの著者はスタンフォード大学の著名教授で、この本は実際のビジネススクール講座の内容に沿っており、権力を握るための資質、リソースの確保、人脈、ふるまいと話し方、評判の獲得法など、パワーゲームで勝ち残るためのあらゆる技術を一冊にまとめている。(私が近年読んだ本の中でもダントツでノートに書き写した言葉が多い本で大学ノート15ページに及ぶ)
▼P67：『「権力」を手にするための7つの道具 高い地位に到達する人とそうでない人は二つの基本的な要素によって歴然と分かれる。それは困難に挑戦しようとする意志、そしてその意志を目標達成に結びつけるスキルである』
※以下にその7つの道具を挙げる。どれも「権力」を手にするためというよりも「リーダーシップ」を身に着けるために必要な要素だ。
▼P68：�〃莪奸慍浸�も大成するためにはは努力と勤勉と根気が必要であることは誰でも知っている。そして努力を続け必要とあらば犠牲をも払うために強い意志が欠かせない』
▼P70：�▲┘優襯�ー『一休みしてからやろうとなんていってる人は結局何も出来ない。(中略)個人の業績の差は結局のところ知識とスキルの習得に直接費やした時間数で概ね説明がつく(中略）長時間頑張り続けるエネルギーがあれば目標に人より早く近づけることは間違いない』
▼P72：��集中『最近では転職によるキャリアアップということがしきりに言われているが生え抜きの社員の方が影響力を獲得しやすいことは間違いない。(中略）一点に集中すれば火を噴く太陽光線のように業績やスキルの絞り込んで一点集中型でエネルギーを投じる方が効果的であることはさまざまな調査結果が示している』
▼P75：�ぜ�己省察『重要な会議の後や心に残る話を聞いたときは必ず手帳に書き留める(中略)メモをつけること自体が内省を促し思わぬ閃きが得られることもあるという。(中略)内省や省察なしに学習や成長はありえない』
▼P77：�ゼ�身『権力や影響力を持つ人は自信たっぷりに振る舞う』
※これは、いわゆる「強がる」とか「虚勢を張る」とか、またある時は「ハッタリ」とも言うが(苦笑）、とても大事だと思う。はじめは「振る舞い」だけであっても続けていると「本物」になっていく。
▼P80：�ΧΥ粁蓮愴紳仄圓領�場を思いやるのは回り道のように見えても、むしろ目標に近づくよい方法なのである』
▼P80：��闘争心『手強い相手にも堂々と渡り合えるなら、大半の人よりも優位に立てる』
▼以上が「権力」を手にするための7つの道具だが、すべてリーダーシップを発揮するためのマストだ。だから「権力」を持ったり行使することを忌避したり遠慮することなく取得する術を身に着けてほしい。
▼最後に「権力」に対して抵抗がある、または否定的である人たちに共通している点が書かれてあった。
P115：『人はできるだけ他人に頼まずに済ませようとする。理由はいくつか在るが、アメリカ人の場合その最大のものは、独立独歩の精神に反するからである。第二の理由は断られたくないからだ。拒絶され自尊心を傷つけられるのがいやなのである。そして第三は頼みが叶う可能性を自分の物差しで(低く)判断しているからである。だが大方の人は頼まれた相手がOKする確率を過小評価している。
▼だから「権力」に対して抵抗(遠慮？)がある人は、何でもかんでも自分でやりたがる(やってしまう)ので、逆にチームビルディングが難しいく実績も広がらない。
▼組織や事業で成果を出すためには「権力」は必要なのだ。それは内部には影響力・統率力、外部には交渉力を健全に行使するということだ。
↓日経新聞の記事。今後、厚生労働省は残業時間を減らし休日を増やした中小企業には最大200万円を助成するとのこと。働く時間(生産時間)を減らして、これまでの売上(生産量)を維持し利益を確保しようと思えば設備投資か社員の能力開発しかない。この手の助成金は麻薬みたいなもので中小企業の能力アップどころか弱体化を招く恐れがある。助成金をもらうための一時的な取り組みで終わりかねないし、本当に「できる社員」「やりたい社員」の成長を阻害してしまうと思う。
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