2018年07月23日

常に備えることについて

▼アメリカ合衆国沿岸警備隊の公式軍歌に「常に備えよ(Semper Paratus)」というものがある。ボーイスカウトでもモットーである「そなえよつねに(Be prepared )」の語が用いられている。日本では甲南大学の創立者である平生釟三郎氏が阪神大水害で校舎を流されたときに「常ニ備ヘヨ」という言葉を石碑に残している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼この度のこれだけ広範囲におよぶ西日本豪雨も誰が予想しただろうか。全く想定外だった。しかし天災に限らず経済や経営も同じだ。いつ何があるか分からない。この度の災害で想定外の被害・損害を被った業界や企業も多いと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼当社はこの度の豪雨では幸いにも被害を免れたが、私も過去に会社を創業して天国から地獄へ叩き落されたことがある。好調だった年から翌年に売上が半減し、売上の一割相当額の赤字になって一気に債務超過に陥った。こうなったら雪だるま式。社員は辞めていく、取引先は去っていく、銀行は手のひら返す有様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼この債務超過から脱出するまで数年かかったが、この体験が無ければ今のうちは無い。私はこの経験から「常に備える」ことが体に染みついた。好調な時ほど慎重に、不調な時ほど大胆に考えて行動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼昔の苦労話なんかしても仕方ないし、経験した者でないとなかなか共感・共有出来ないので、私は基本、苦労話はしないタチ。しかし、また同じ苦労をしないためにも、たまには思い出して自戒も含めてみんなと共有する必要があるような気がしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼好調な時や繁忙期の時ほど、つい過去の苦労を忘れてしまう。またその時に助けてくれた人達の有難さもだ。苦しい時に支えてくれた社員や励ましてくれた家族、友人、逃げずにうちを応援してくれた取引先、そして命の糧である「注文」をくれたお客様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼今でも私はこの人達のことを忘れないし縁を絶やさないようにしているつもりだ。出来る限り絆を長く強く深めたいと思っている。でも年月の経過と事業の成長に伴ってこの時の記憶が薄れて恩を忘れがちになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼「常に備える」とは決して忘れないこと。だから軍歌にして歌ったり、標語にして唱えたり、石碑に刻んだりするのだ。うちも忘れないように何か考えたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓先日7/17に総社商工会議所にて総社YEGさんのお招きにより講師として登壇させて頂いた。テーマは「百語百会(ひゃくごひゃくえ)〜時を超えて一期一会から繋がり続ける人の絆〜」。この言葉は私が作った造語で今年の広島県連20周年記念会員大会のスローガンにも掲げている言葉だ。

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↓総社も同じようにこの度の豪雨で被害に遭われているにもかかわらず私の拙い話に集まって頂いた。総社YEGの皆さんの熱心さと心意気に感服したし心から感謝したい。

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