当社では、ここ数日年に一回のISOのサーベイランス(調査・審査)を受けており、今日は私が経営者として審査を受けた。
審査員からまずはじめに、最近の経営状況や業界動向、業績、課題・問題などについて質問を受けた。
うちは、お客様や協力して頂いているパートナー企業の皆様のおかげで、ここ数年ずっと業績が右肩上がりで、本当に感謝、感謝の一言に尽きる。いくら感謝しても感謝しきれない旨を伝えた。
しかし、その反動もあり、業績が上がれば上がるほど、規模が膨らめば膨らむほど、当然ながら求められる品質やスピードなど要求事項もより高く、より厳しくなってきており、うちはそれに付いていけてない事も正直に申し上げた。
まず一番の課題は幹部や役職者のリーダーシップだと私は思っている。リーダーがいかにメンバーのコンセンサスを取りながら、より高いハードルへとリードしていくか。
リーダーシップとは何なのかを、幹部にどう分かり易く伝えればいいのかと考えながら読んだ本がこれ。
『リーダーシップの旅(見えないものを見る)野田智義・金井壽宏/光文社新書』
これまでリーダーシップに関する本は何十冊と読んできたが、同書はリーダーシップを研究し尽くした著者が、今までにない切り口で、とても分かりやすくまとめて書かれてあった。以下、私がノートに書き写した箇所をご紹介する(※印は私の勝手な所感)。
P21:リーダーシップは「見えないもの」を見る旅だ
※まさしくその通り。読み始めてすぐこの言葉に出くわして、この本は今までのと毛色が違うと一瞬にして思った。
P39:リーダーになろうと思ってリーダーになった人はいない。リーダーは自らの行動の中で結果としてリーダーになる。
※役職がついたからといってそれだけでリーダーになれるものじゃない。リーダーとして認められてリーダーになるのだ。
P57:時にはリスクを冒してまで行動しようとする人の背中に、フォロワーはエネルギーを感じ自発的についていこうと思う。
※付いてくる者が一人もいなければリーダーでもなんでもない。
P93:リーダーは「見えないもの」を見て、あるいは見ようとして新しい世界をつくり出すのに対して、マネジャーは「見えるもの」を分析してそれらに受動的もしくは能動的に対応しながら問題を解決していく。
※誰にでも見えたり分かったりすることならリーダーの意思決定は要らない。
P156:後ろのドアを閉じられないから、前のドアを開けられない。蓄積した信用をあえて捨てるという行為は、後ろのドアを閉めることだ。
※後ろのドアを閉めるのに大きな勇気と覚悟はいるが、閉めなければ前に進めないことも地方にはたくさんある。
P182:リーダーに求められる資質をあえて要素分解するならば「構想力」「実現力」「意志力」「基軸力」の4つの力だと私は考える。
※この4つの力も持とうと思って持てるものではない。置かれた環境で1つずつ身につけていき、ある段階で結果的に4つの力を併せ持つようになるのだろうと思う。
他にも書き写したところがあるがここまでにしておく。興味ある人はぜひご一読を。
素晴らしい新しいリーダーが輩出されることを願う。
↓先月見学に行った石見銀山遺跡
↓当時はロウソクだけでこの穴に入って作業していたのだ。
↓この中で大勢の人が亡くなっているという。