2020年10月28日

葉隠について

この度、「葉隠入門/三島由紀夫(新潮文庫)」を読んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がはじめて「葉隠」を読んだのは中1、中2の頃。二年間通った広島城北中学校は男子校で授業に剣道があり、クラブ活動も剣道部に所属していたので武士道に興味を持ったのがきっかけだった。

http://www.hiroshimajohoku.ed.jp/school/education/lesson.php

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃はそんなに深く考えずに読んでいたが、この度は実際に割腹自決した三島由紀夫が書いた「葉隠入門」だけに、感慨深いものがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェンダーやLGBT、ハラスメント、ライフワークバランス、イクメン、メンタルヘルスといった言葉が流用されている昨今には、この本の言葉や表現はちょっと過激かもしれないが得るものはある。ここに一部を紹介したい(※印は私の勝手な所感)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P55:武士道の道徳が外面を重んじたことは、戦闘者、戦士として当然のことである。なぜなら戦士にとっては、常に敵が予想されているからである。(※私はこの著者の言葉は現代でも通じる部分があると思っていて、仕事や職場でも同じで、だらしなく見えたり頼りなく見えると、確実に機会は激減するし勝機を失う)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P74:「不仕合わせの時、草臥(くたぶ)るる者は、益(やく)にたたざるなり」(※人は誰でも幸せの時は草臥れない。不幸せの時にこそ、その人の本領というか人間性というか強さが分かるということ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P105:「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」(※葉隠で最も有名な言葉。スティーブ・ジョブスの「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか?」という言葉と意味は同じだと思う)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P125:「喰ふか喰ふまいかと思ふものは喰はぬがよし、死なうか生きやうかと思ふ時は死したがよし」(※人間、欲が先に立つと判断を迷うし、品格を下げてしまうということ。とても厳しい言葉だ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P149:「大変に逢うては歓喜踊躍して勇み進むべきなり。一関越えたる所なり」(※困難に出会っても大いに喜んで勇んで突き進むべきで、それは一つの段階を越えたところにあるということ。今風に言えばポジティブ、アグレッシブにいこうというところか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P160:「名利薄き士は多分えせものになって人をののしり、高慢にして益にたたず、名利深き者には劣るなり」(※名誉や富に執着のない者は、おおかたつまらない人間になって人をののしり、高慢で役に立たず、ついには名誉と富に執着する人間にも劣ってしまうということ。これは権威や財産を持つ者にひがみや妬み、誹謗中傷する人たちに似ている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P173:「始終の勝などといふ事は知らず、場を迦(はづ)さぬ所ばかりを仕覚えたり」(※必勝のコツなど知らない、ただチャンスを捉えて逃さないことだけを会得したということ。「幸運の女神には前髪しかない」という言葉に似ている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P176:「武士たる者は武勇に大高慢をなし、死狂ひの覚悟が肝要なり」(※武士たる者、勝負には常に強気で死に狂いするぐらいの覚悟が必要だということ。これは経営者が事業に賭ける心構えと同じ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、現代では過激に受け取られるような言葉は避けて紹介させて頂いた。他にも男色や恋愛の極意、あくびの止め方、友達との付き合い方、出世する方法などについても書かれてあるのでぜひご一読を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓うちのグループ会社がある地区にある氏神様「森脇神社」

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↓境内は閑散としているが社は年季の入った立派な建物

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↓今は使われていない井戸。恐らくここに手水舎があったと思われる。

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