2017年09月12日

そうじについて

▼昨日、ある上場企業D社の創業社長が講師を務めて下さっているセミナーの第3講に参加した。この度は経営計画の立て方についての講義だったが、さすが上場させた創業社長だけあって一言一言に含蓄がある。公表する許しを頂いていないのでここでは匿名にしておきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼経営理念や経営目標、経営方針、短期計画、長期計画など、経営計画の概要や要点、順序などについて、これまでの豊富な実体験も交えながら分かりやすくお話し下さった。その方針の中に絶対欠くことの出来ない三つの方針とは、

 

一、お客様に対するサービス

二、環境整備

三、クレーム処理

 

の三つだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼「お客様に対するサービス」は当然ながら会社にとって最重要課題であり会社の売上、収入はすべてお客様から得られるものであり、そのために会社が提供するものがサービスだ。そのサービスに対する苦情やクレームも経営にとっては重要なファクターだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼それでは「環境整備」とは何か。それは、会社や職場の整理・整頓・清掃・清潔の徹底だ。ただ片付けて拭いたり掃いたりするだけではない。徹底的に掃除して従事する環境を徹底的に整備すること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼このD社では毎朝、就業時間中に社員全員で30分間掃除をされるそうだ。以前は毎朝1時間されていたとのこと。こちらの会社の環境整備は掃除をするのは当たり前で、細部まで徹底的に「磨き上げる」そうだ。それはただ綺麗なだけでなく、外部から見学に来られるほど美しく、磨かれ整備されているそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼D社では当初この掃除を始められた頃は「私は会社に掃除をしにきたのではない」と退職する社員が続出し、同じような取組みをされている他の会社では社員の3分の1が辞めたとのこと。その大半が掃除している姿を見られるのが恥ずかしいとか、掃除など業者にやらせばいいと思っている社員だったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼そのD社の社長は「なぜ掃除することが恥ずかしいのか?それは掃除している人を見下げている証拠。しかもこれは就業時間中の立派な仕事だ」と一喝、退職する社員を引き留めることなく、かえって辞められてよかったとのこと。先程の社員3分の1が退職した他の会社はのちに2000人の会社へと成長されたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼D社の社長は続けて「就業時間に掃除をさせるということは、それだけ正味の稼働時間、生産時間を短くすることになるから、当然その分、生産量が落ちるから会社にとってはマイナスだ。しかし、それでもやる意味は大きい」とお話しされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼うちもたった10分だけ毎朝社員全員で掃除をしているが(D社とは比べものにならないが・・・苦笑)、私が思う環境整備や掃除とは「人間形成」にとても必要なことだと思っている。人間は環境に従い、汚い環境では人間は汚く育ってしまうが、反対に綺麗な環境であれば人間も綺麗に健全に育つというもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼「窓ガラスの法則」というものがあって、1枚の割れた窓ガラスを放置すると、いつの間にか割れた窓ガラスが増えていくという。これはゴミを放置するとゴミが増えるのと同じ。職場や会社、現場も同じで、汚れた窓、床、机を放置すると、だんだんと見慣れてしまい他が汚れても気にならなくなって、しまいには全体が汚れたままになってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼「汚れたら」掃除をするのではなく、「汚れないように」常に掃除をする。いつも汚れていない状態であれば、異変にもすぐに気が付くし、物もちゃんと整備されていれば探す手間も省け、無駄な買い物もせずに済むし、保管場所も少なく済んで無駄な労力もかからないし慌てなくてもいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼だからというわけでないが、うちでは掃除や整理整頓に継続して注力したい。ちなみにこのD社では、大手の見込み客の新規営業に、まず自社の事務所に来た頂くよう誘導されるそうだ。ほとんどの会社が感心・感動されて「この会社は間違いなく信頼できる」ということで取引先になるそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼うちも外部から見学に来て頂けるくらいの事務所にしたいと思っている。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓この「ちりとり」は私が創業間もない頃、仕事が満足に受注出来ず、来る日も来る日も事務所や工具の掃除ばかりしていた頃、時間を持て余して、廃棄する予定だった一斗缶を切断して作ったもの。もう25年以上使っているが当時の辛酸を忘れないように大切に今でも使っている。

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