2025年10月16日

外壁改修について

一)先日、ある賃貸マンションのオーナーさんから相談を受けた。「見た目はまだ大丈夫そうに見えるんですけど、外壁ってそんなにすぐ悪くなるものですか?」と。建物はRC(鉄筋コンクリート)造の4階建てで、見た感じは築20年くらいだと思う。














二)こういった相談は少なくない。確かに、外壁というのは毎日目にする割に、見映えに慣れてしまって、その「劣化」に気づきにくい。だからこそ、傷んでからでは遅く、モルタルやタイルの浮きは、落下して大きな事故に繋がりかねない。














三)私たちが手掛けている外壁改修工事というのは、単なる“見た目の化粧直し”ではなく、構造体を守る、いわば建物の「肌」と「免疫力」を保つための治療みたいなもの。私たちはそれを十分理解した上で調査診断しなくてはならない。















四)ひび割れや浮き、爆裂、チョーキング、鉄筋の錆、シーリングの劣化など、一見わからなくても、足場を組んで間近で見てみると、建物は想像以上に傷んでいたりする。特に、築20年を超えてくると、ほぼ例外なく「どこかしら」問題が出ている。















五)外壁は、常に雨・風・紫外線にさらされている。毎日殴られ続けてるようなもので、人間の皮膚だったら、とっくにボロボロになっている感じだ。外壁の仕上げ材にもよるが、塗装仕上げだとかなり痛んでいるはずだ。














六)それでも建物から発っせられる悲鳴はないので、私たちがそれに気付いて、診て、必要な適切な治療をしてあげないといけない。私たちの仕事はそういうものだと思っている。いわゆる建築外科医みたいなもの。ビルディングドクターという資格もそういう意味からきていると思う。














七)工事は、足場を組んで、タイルを診て、浮いてるところにはエポキシ樹脂を注入し、目地のシーリングは打ち替えて、塗装の浮いている箇所は剥がして下地処理の上に再塗装して膜厚を確保する。とにかく一つひとつが地味な積み重ねだけれど、それが、10年、15年後の安心に繋がる。















八)ちなみに建物の「美観」ってその建物の利用者の心理に影響する。たとえばマンションであれば入居率に影響するし、商業施設であれば集客に影響する。工場や会社であれば社員さんのエンゲージメントにも大きく影響するだろう。















九)建物の資産価値を守るのは、こまめな手入れだ。人も建物も、年を重ねるごとに「手のかけ方」がものを言う。私たちはそのスペシャリストでありプロフェッショナルでなければならない。それが私たちの強みであり使命なのだ。















十)『建物は社会の器』と言われているが、その建物を守っているのが屋根や防水、外壁だ。建物を守ることは社会を守ることであり、外壁改修は建物の未来を守る仕事なのだ。それを支えるのは私たち施工会社の技と専門知識である。

 
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