一)これからうちは不動産事業を積極的に展開していく。不動産事業といっても、新築のマンションやビルを建てて販売するわけじゃなく、築年数が経過したビルや賃貸マンションなどを購入し、リノベーションによって新たな価値を生み出し、運用したり再販したりする事業だ。
二)そもそも、うちは35年間、古くなった建物を直す仕事をしてきて、屋上防水工事、外壁改修工事、耐震補強工事、大規模修繕工事など、建物の劣化した部分を修繕し、長く使えるようにすることが本業だ。つまり建物を生まれ変わらせる技術や経験は、すでに持っているということになる。
三)だったら、その技術を自分たちが所有する建物にも生かせないか。建物の状態を見極め、必要な修繕を行い、価値を高める。それを自社で取得した不動産で実践できれば、工事の利益だけではなく、不動産そのものが生み出す利益も得られることになる。
四)国内には、築30年、40年、あるいはそれ以上の建物が多く存在しており、古いというだけで敬遠される物件も少なくない。でも古いからといって、必ずしも価値がないわけじゃない。立地が良く、構造的にも問題がなく、適切な修繕を行えば、まだまだ十分に活用できる建物もある。
五)例えば、外壁が傷んで見栄えの悪い賃貸マンションでも、外壁や共用部分を改修し、室内をリノベーションすることで印象は大きく変わる。入居者に選ばれる建物になれば、空室の改善や賃料の見直しも期待できる。古い建物をただ直すのではなく、収益を生み出す建物へと再生させる。
六)もちろん不動産事業はそんなに簡単なものじゃない。購入価格を間違えれば、どれだけ上手に改修しても利益は出ない。想定以上の修繕費がかかることもあれば、思うように入居者が集まらないこともある。だから物件を見極める経験値と数字による分析が重要になる。
七)ただ、うちには建築改修専門会社としての強みがある。一般的な不動産会社が外部に依頼する建物調査や修繕工事についても、自社の技術や経験を生かして判断できる。どこを直すべきか、どこに費用をかけるべきか。その判断ができることは、不動産事業において大きな武器になるはず。
八)そして、この事業にはもう一つ目的があって、それは自社で資産を保有し、継続的に収益を生み出すビジネスへと事業領域を広げること。建設業はどうしても受注状況によって売上が左右される。不動産から安定した収益を得られるようになれば、会社の経営基盤もより強くなる。
九)うちは今年、東京と福岡のプロマーケットに上場した。だから、これからは目先の売上だけではなく、将来にわたって継続的に利益を生み出せる基盤をつくっていかなければならない。もちろん無理に物件を取得するのではなく、健全性を保ちながら、コツコツと実績を重ねていきたい。
十)これまでうちは、お客様の建物を守り、再生させる仕事をしてきた。これからは、自分たちが所有する建物でも、その技術と経験を証明していきたい。そして建物の寿命と不動産価値の最大化を実現し、社会インフラの強靭化に貢献したい。
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