2020年06月04日

困難について

誰に薦められたか覚えていないが、昨年から積んであった本。しかし、偶然にもこのコロナウィルスという未曾有の困難な時期に読むのに最適な本だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは「HARD THINGS〜答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか〜(ベン・ホロウィッツ著・日経BP)」という本。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日、読み終わってみて感想を一言で言うと「末期の会社の処方箋」のような感じ。訳者が冒頭の序文にもこんなことを書いている。読み始める前から読者の読む気が失せるようなことが書いてある。(以下、※印は山田の勝手な所感)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P1:吐き気と悪寒。本書を読みながら何度も何度も感じた症状である。読みながら経験したさまざまなことが頭によみがえってくる。
※この言葉は味わった者にしか分からないと思う。実際にこのあと本書を読み進めていくうちに私には意味がよく分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

著者のホロウィッツは、シリコンバレーのベンチャーキャピタルの創業者で、以前にもIT系の会社を創業して倒産直前にHPへ16億ドルで売却した経歴を持つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P94:スタートアップのCEOは確率を考えてはいけない。会社の運営では答えはあると信じなきゃいけない。答えが見つかる確率を考えてはいけない。とにかく見つけるしかない。
※創業時には誰に相談しても答えが違うので、かえって相談したことが仇になることもある。仮に相談したとしても最終的に自分で答えを出すしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P95:逃げたり死んだりしてしまいたいと思う瞬間こそCEOとしての最大の違いを見せつけるときである。(中略)戦士が常に死を意識し、毎日が最後の日であるかのように生きていれば自分のあらゆる行動を正しく実行できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P111:レイオフされる人たちの多くは、今後もあなたより会社に残る社員と親しく付き合うので、相応の敬意を払う必要がある。ただし会社は前へ進まなければならないので、謝りすぎないことも大切だ。
※私はこれまで業績を理由にレイオフしたことは一度もない。不正や違法行為により解雇したことはあるが、そういう場合は当然だが決して敬意を払わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P133:どの会社にも、命懸けで戦わなければならない時がある。戦うべき時に逃げていることに気づいたら、自分にこう問いかけるべきだ。
「我々の会社が勝つ実力がないのなら、そもそもこの会社が存在する必要があるのだろうか?」
※この言葉は経営者にとってとても重たい言葉だが、私は経営者である前に人として男としてこの言葉を強く胸に刻みたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P212:アンディ・グローブ(※インテル創業者)によれば「正しい野心家」というのは「会社の勝利を第一の目標とし、その副産物として自分の成功を目指す」ような人物だという。それに反して「悪い野心家」は「会社の業績がどうであれ自分の成功を目指す」ような人物だという。
※「正しい野心家」ばかり採用するのは難しいが「悪い野心家」を幹部に登用することは絶対ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P240:経験ある年長者を会社に迎え入れることは重大な危険を伴う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P306:平時のCEOと戦時のCEO

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この本を読み終えて、先日、地元のMBAが集った勉強会で、今回のコロナに最も影響を受けている業界の経営者が言った言葉が蘇った。その言葉は今でも強く私の脳裏に刻まれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビジネススクールで教わるリーダーシップとは平時のリーダーシップであって、有事のリーダーシップはその状況の中で自分で探さなければならない」

 


 
トラックバックURL : ボットからトラックバックURLを保護しています