
この度、ファーストリテイリングの柳井会長に「これが私の最高の教科書だ」と言わしめた本『プロフェッショナルマネジャー 58四半期連続増益の男(ハロルド・ジェニーン著/プレジデント社)』を読んでみた。
ニューヨーク証券取引所のボーイから図書の訪問販売などを経て、ITT社(アメリカのNTTみたいな会社)CEOへ上り詰めた著者だけあって、歯に衣着せぬ論調には含蓄があり、ドライであまり笑顔を見せず常に厳しそうな柳井会長と印象が被るところがあった。
読み終えてみて、共感できる点も多かったが、果たして私に出来るだろうかと思うほど厳しいところも多かった。
総評としてこの本を読み終えて気付かされたのは「ベテランとプロは違う」ということ。
つまりベテランとはその分野で多くの経験を積み重ねた人、プロとはその分野で知識と理論、技能・技術を持っている人で、前者は年齢に相関するが、後者は年齢に関係なく資質と努力に相関する。
ベテランだからといって、すべていい仕事が出来るわけではないし、相手の理解や納得が得られるわけでもない。なぜならばニーズよりも自分の経験を優先しゴールは相手の納得よりも自分の納得だからだ。
反対にプロはニーズに応えるために理論的に考え、知識や技能・技術を駆使して相手の納得や共感・感動を得る。
たとえるならば、アマチュア野球のベテラン選手とプロ野球の若手選手といったところか。以下に著書の一部を紹介したい(※印は私の勝手な所感)。
P34:なんのかんのといっても、結局、会社とその最高経営者と経営チームは、業績(Performance)というただひとつの基準によって評価される。
※業績を問われないアマチュア野球と、成績と業績の両方を問われるプロ野球の違いに似ている。
P54:「諸君がビジネスで成功したかったら、みずから選んだにせよ、めぐり合わせで身を置くようになったにせよ、自分が属する場所で上位20%のグループに入ることが必要だ」
※この中の「ビジネスで成功したかったら」という言葉を「プロになりたかったら」という言葉に置き換えることが出来る。
P124:彼はなんら高等な理論や方式を用いることなしに、自分の基準を定めているのだった。その基準を満たさないと眠ることもできなかった。
※相手の基準や求められていることではなく、自分の基準に固執する点はベテランに多い。
そして最後に著者は下記の言葉でこの本書を締めくくる。
P308:実績は実在であり、実績のみが実在である。これがビジネスの不易の大原則だと私は思う。実績のみが君の自信、能力、そして勇気の最良の尺度だ。実績のみが、君自信として成長する自由を君に与えてくれる。
※この中の「ビジネス」という言葉を「プロ」に置き換えても意味は通じるが、「ベテラン」に置き換えると違和感を感じるのは私だけだろうか。
うちが目指すべき集団はベテラン集団ではなくてプロフェッショナル集団であるべきだと思う。年齢や経験、肩書、立場ではなく、感動や納得、実績、努力、適正を重視する集団である。
↓7月2日から1泊で那覇と石垣島へ現場視察に行ってきた。遊びに行ってきたを思われないようにここに証拠写真を掲載する(笑)。
↓この度の視察目的である「ハリケーン・ファブリック・スクリーン」。
大型台風の風圧や飛来物から建物を守る。ここは琉球銀行。
↓ 海辺のレストランにも
↓住宅にも効果を発揮している。
↓今後、シバタ工業さんと共にこの商品を全国展開していく。