2022年02月20日

経営の思いがけないコツについて

先月「一倉定の社長学シリーズ全10巻(日本経営合理化協会)」をやっと読み終えた。1冊が約500から600ページあるボリュームで、2021年1月に購入して10巻を読み終えるのに一年かかった。
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他の本なども並行して読んでいたので、読み終えるのにかなり時間がかかったものの、読み応えは充分あり、間違いなく座右の書に入る本。













「一倉定の社長学百講(CD全8巻約6時間)」も合わせて拝聴したが、一倉定翁の生の声も迫力があって聴き応えもあった。書いてあることと話していることに全く相違、矛盾はなかった。
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最後に読み終えた第10巻「経営の思いがけないコツ」は、世の社長に対する歯に衣着せぬ苦言や指摘は痛快で、身が引き締まる思いがする。














そんな私がノートに書き留めた言葉を以下に紹介したい。※印は私の勝手な所感。














『社長の真の定位置は社長室ではなくお客様のところである』
※一倉定翁は会社に閉じ籠もる社長のことを終始「穴熊社長」と呼んでいた。私もこの言葉に感化されて出来る限り外回り、挨拶回り、現場回りを心掛けている。














『企業の経済的成果はお客様から、そしてお客様だけから得られるのである』
※CDでもこのことを強く仰っており、事業とは市場活動であり、経営は決して内向きであってはならないとも。内向きは管理であって経営ではないということ。














『責任の範囲を明確にすることは会社をつぶす危険思想だ』
※この言葉を我社は真摯に受け止めて制度設計や管理体制を再構築するべきだと思う。担当者や担当部署の責任範囲を細かく決め過ぎると無責任や責任転嫁を生み出してしまう。













『社長が社内にいるのは一週間のうち一日以内にすべきである。そして市場にいる時間の大部分をお客様訪問でなければならない』
※間違いなく会社を生かすも殺すもお客様次第。そのことを忘れてお客様との約束を反故したりすることは命取りになる。














『企業の経営とは社内に集まった人々の活動を管理することではなくて、お客様の要求を見つけ出し、これを満たしていくことである』
※うちは3種類のISOを取得しているが、基本、国際規格が求めている要求事項の主軸も「顧客満足」である。そのための管理(マネジメントシステム)でなければならないと思う。














『環境整備とは規律、清潔、整頓、安全、衛生の五つの活動を行うこと』
※私はこの環境整備はとても重視しているつもり。この環境整備の如何によって集まる人材、残る人材は大きく変わる。人材に合わせた環境整備は骨抜きの理念なき組織形成を招く。














『‘管理’の対象は企業の内部であり、‘経営’の対象は市場つまり企業の外部である』
※大学院で学んだことも同じ。3Cというフレームワークがあって市場には「顧客(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」しかいないということ。ここに向いてないとダメ。














『社長の役割は事業の経営である。当然のこととして社長の関心と行動は市場にあるのだ』
※本当に耳が痛い言葉。確かにコンプライアンスやガバナンス、マネジメントも大切だが、市場を無視した施策は無策に等しい。













一倉定翁のCDや本は、普段指摘や叱咤されない社長族にとっては、絶対に必要だと思う。少なくとも私のような出来の悪い、ボンクラ社長、うつけ社長には不可欠だ。

 
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