1)私は21歳の時に一人で無一文から創業して以来、とにかくがむしゃらに働いてきた。特にそれが大して苦ではなく、マグロのように常に動いていないと死んでしまうかのごとく、公私の区別なく365日24時間、仕事のことばかり考えていた。
2)だからいつも人から趣味を聞かれるたびに、趣味らしいものが無かったので「趣味は仕事と読書」と答えていた。今から振り返ると、何と人間味もなく、親しみもない、可愛げのない返答だったかと苦笑いしてしまう。
3)確かに私はそれまで趣味がなく、休日も会社に居ないと落ち着かないし、家に居てもパソコンで仕事するかビジネス書や歴史書を読み漁っていた。大学院に通っていた3年間は休日だけではなく、平日の早朝や夜も経営の勉強ばかりしていたし、それで充実していた。
4)しかし、それは自分にとって楽しいことや面白いことをすると、ラクなことをして何かサボっているような気になったり、自分が遊んている間にライバルに抜かれるような焦りに襲われるから、自分に負荷をかけていた気がする。
5)読書といっても小説は読まず、専らビジネス書や偉人伝、歴史書、自己啓発本ばかり読んでいたから決して趣味とは言えず、経営やビジネスの参考になるような本ばかりなので、仕事の延長みたいなもの。
6)でも50歳を過ぎて、残り寿命が刻々と減っていくなかで、趣味も大切だと思うようになった。仕事ばかりの人生ではなくて、仕事と自分と家族という3つの円でバランスが取れた人生が理想だ。以前の私は仕事という大きな円の中に自分と家族がある感じだった。
7)現在は趣味と言えば居合、座禅、マウンテンバイク、オンロードバイク、オフロードバイクなど。囲碁にももう少し時間を割いて上手くなりたい。居合や座禅、囲碁は前からやっていたが、自転車とバイクは最近だ。
8)居合と座禅、囲碁はスポーツや趣味というより文化や伝統に触れ、自分の心技体を高めるような感じだが、自転車やバイクはスポーツ感覚でやっている。特にマウンテンバイクは体力的にはきついが山を自転車で下りる時の爽快感は大きいし、心身共に良い。
9)一昨日はオフロードバイクに乗り、山の中で何度もこけて、右膝を捻挫して今でも歩いたり座ったり階段を上り下りするのに難儀をしているが、自然の中で風を切りながら走るのは気持ちいいし、懲りずにまた行きたいと思う。
10)「釣りバカ日誌」の浜ちゃんみたいに、仕事よりも趣味の魚釣りばかりに没頭するのもどうかと思うが、しっかり働いて、頑張った分だけ自分の健康のために趣味に講じるのは残りの人生を豊かにする。年を取ると心身両面で健康を考えるようになった。
トラックバック (0)
トラックバックURL : ボットからトラックバックURLを保護しています