一)この度、社内で経営指標を設定した。うちではISO(国際基準)に則った品質・環境・労働安全衛生方針を掲げており、その方針の中にそれぞれ数値目標を設定するように求められているが形骸化してしまって具体的な指標が設定されていなかった。
二)しかし、働き方改革や残業規制、人手不足、賃上げなどが叫ばれる昨今、DX化やAIの活用なども含めて抜本的に業務を改善、進化させるためには、その効果や進捗を測るためにも指標が必要なので、4つの経営指標を設定した。
三)まず品質目標としては『社員一人当たり平均売上高(総売上高÷全社員数)昨年度以上』。これはお客様が工事やサービスの品質に満足、納得して頂いてこそ売上につながっていくので、売上高を品質の指標においた。分母に社員数を置くのは生産性や効率を測るため。
四)次に環境目標として『社員一人当たり平均エネルギー消費量(光熱費・燃料費÷全社員数)昨年度以下』。当社は業種柄100%脱炭素は無理としても、少しでも社会や地球環境に貢献できればと考えてこの指標を設定した。
五)三つ目が労働安全衛生目標として『社員一人当たり平均残業時間(全社員残業時間合計÷全社員数)昨年度以下』。これは今年4月から残業規制が施行されたこともあり、この指標を設定した。ちなみに当社は今年度から年間休日数を109日から124日に増やしている。
六)そして最後の四つ目が教育目標として『社員一人当たり平均教育研修時間(全社員教育研修時間合計÷全社員数)昨年度以上』。これは社内研修だけではなく外部研修やセミナー、講習への参加も含む。会社の成長は社員の成長に他ならない。
七)以上の四つが、この度設定した経営指標だ。たとえ美辞麗句で経営理念やビジョン、ミッションを大きく掲げていても、その達成率や進捗を測れないと全く意味がない。それだとまだ無い方が潔い。指標は理念経営を実現するためのバロメーターだ。
八)この四つの指標も、適時算出して全社で分かりやすく共有しなければ効果はない。だから当社では毎月途中経過を算出して発表する。この指標はあくまで社内の「平均」であって、「個人」に設定するものでもなければ評価するものでもない。
九)これは全員で力を合わせて取り組んで、昨年よりもっと成長していくために設けた共通の指標だ。ライバルは他社ではなく自分たちの過去の実績。年度末に昨年よりも成長できたことが確認できれば、何らかのインセンティブを与えたいと思っている。
十)よくありがちな目標に「顧客満足度第一位」とか「業界ナンバーワン」「地域オンリーワン」というものがある。どれも素晴らしくて非の打ち所がない目標だが、実際に現状からどのくらい離れているのか分からなければ単なる戯言にすぎない。
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