一)前回は「運」について私の体験や考え方を書かせてもらった。今回は先日読み終えたドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんが書いた『運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」(文春新書)』という本について私が共感してメモした言葉をご紹介したい。※印は私の勝手な所感。
二)ドン・キホーテは三十四期連続増収増益(2024年)を成し遂げ、売上二兆円を突破。一代でこれだけ大成功したのは「運」のおかげだと断言している著者の赤裸々な体験記述には、同じ創業者の端くれとして強く興味をそそられるし、人生ってなかなか捨てたもんじゃないなと納得させられる。原本のご一読を薦める。
三)P7:運は自分でコントロール可能なものなのだ。私はこれを「幸運の最大化と不運の最小化」と呼んでいる。(中略)不運の時は下手に動かず、チャンスが巡ってきたら一点突破でがむしゃらに突き進む。こうして私は、人生と仕事において運を使いこなそうとしてきた。※「運を使いこなす」という言葉がカッコいい。
四)P45:「大数の法則」をご存じだろうか。(中略)例えばサイコロを振って一の目が出るのは偶然だが、振る回数を増やせば増やすほど、その確率は六分の一に近づいていく(中略)試す回数が増えると確率が一定値に近づくことを意味している。※つまり常に挑戦し続けて母数を増やせば見えてくるということ。
五)P58:「小さなたくさんの失敗をしても、一つの大きな成功があればいい」のだ。※つまり経営も人生も最終回のない野球みたいなもので、たとえ三振ばかり続いたとしてもどこかで満塁ホームランを打てばいいという意味。私もたくさん失敗してきたので、もうそろそろ大きな成功があってほしいものだ(笑)。
六)P82:「果敢な挑戦の手を緩めず、かつ現実を直視した速やかな撤退を恐れない」※私もこれまでいろんな挑戦をしてきたし、やむなく何度も撤退をしてきた。撤退を決断する時は周りの中傷を気にしたり同意を得ようと思ったりしてはいけない。社員に相談してもいけない。決められるのは自分一人だけだ。
七)P85:何よりも、挑戦は人を育てる。※この言葉は今のうちにグサッと刺さる言葉だ。果たして挑戦させているか。いや、うちだけではないかもしれない。昨今ではコンプライアンスやガバナンス、ライフワークバランスやハラスメント、メンタルヘルスなど挑戦を阻む言葉ばかりが先行している。
八)P98:運を味方につける三大条件「攻め」「挑戦」「楽観主義」※著者は「戦わなけば運は落ちる」とも言っている。私もそう思う。戦わないのが賢くて、できる限りリスクを避けるのが経営の定石のように言われるが、私はリスクを取らないのがリスクだと思うし、負けるとわかっていても戦わなければならない時もある。
九)P112:人と付き合う場合においても、常に「一定かつ適切な距離感を保ちながら接する」のが運を落とさない極意である。※著者はこの距離感の加減が大切だと言っている。私の周りにも知り合ってすぐに仲良くなってはすぐ離ればなれになる人を知っているが間違いなく運を落としていると思う。
十)P115:人生やビジネスで成功した時に、これ見よがしに自慢する人がいるが、そのような行為は運を落として衰退を招く最大の悪手となる。※こういう人はSNSでよく見かける(笑)。この類で会社を潰した人を何人も知っている(苦笑)。私はまだ成功していないので自慢できない。
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