2025年11月07日

採用について

一)最近、人を採ることにエネルギーを使っている。施工管理、営業、職人、事務。どの職種も足りていない。お陰様で有難いことに仕事の依頼は増えているが、一緒にやれる仲間が追いついていない。このままだと、チャンスを逃すか、今のメンバーに負担がかかる。














二)会社を大きく成長させるためには、「いい人」と一緒にやれるかどうか。何をやるか、よりも、誰とやるか。数字を伸ばすより、現場を支える「人」をどう育てるかの方が、よっぽど難しいし、やりがいもある。













三)今はどの業界も同じだろうが、建設業界も例外ではなく圧倒的に人が足らない。若い人も減っている。イメージも3K(きつい・汚い・危険)と言われて正直あまり良くない。だからこそ、こちらから歩み寄らないといけないと思っている。待ってるだけでは誰も来てくれない。














四)うちの会社にはサウナがある、誕生日にプレゼントが届く、月一の食事会も会社が全額出してくれる、BBQや焼鳥、タコパ設備も完璧、ボーリング大会もある。一見遊んでるように見えるかもしれないが、社員が楽しそうに働いてる会社に人が集まる。私も楽しい(笑)。














五)みんなで一緒に考えて、現場で一緒に汗をかいて、仲間と本気本音で話す。そんな毎日の中で「ここに入ってよかった」と思ってもらえたら、それが一番うれしい。ちなみにうちは『顧客を支え、仲間を愛し、地域を守ろう』というPOLICYを掲げて毎朝唱和している。














六)人の採用というのは、結局は仲間集め。誰をバスに乗せるかということ。履歴書より、会って話したときの空気感を信じたい。最後はスキルよりウィルだと思う。「こいつと一緒に遠くまで行けるか」という基準で判断した方がうまくいくことが多い気がする。














七)施工管理はハードな仕事。朝も早いし、雨も風もある。トラブルもある。でも、それでも「やってよかった」と思えるのが、この仕事の面白さだと思う。現場を動かす責任と誇りがある。無事に工期通りに工事を完了させたときの達成感は感無量。














八)営業も同じだと思う。工事をとってくるのは決して簡単ではない。規模が大きくなればなるほど競合も増えるし難易度も上がる。しかし、お客様から信頼されて、発注を頂いたときは何物にも代えがたいくらい嬉しい。そうやって人と人とのつながりの中で、結果がついてくる。

九)うちに興味を持った人は、まず会社を見に来てほしい。面接とか選考とかじゃなく、見学、視察という軽い感じでいい。現場も社内も、全部見てもらえばいい。隠すものは何もないし、むしろ、今のありのままを見てほしい。

十)人が変われば会社が変わる。会社が変われば、社会が少しだけ良くなる。そう信じて、今日も履歴書だけじゃなく「人」を見ていきたい。人生の大事な時間を預かる以上、こちらも覚悟を持って真正面から向き合いたい。


 
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2025年10月16日

外壁改修について

一)先日、ある賃貸マンションのオーナーさんから相談を受けた。「見た目はまだ大丈夫そうに見えるんですけど、外壁ってそんなにすぐ悪くなるものですか?」と。建物はRC(鉄筋コンクリート)造の4階建てで、見た感じは築20年くらいだと思う。














二)こういった相談は少なくない。確かに、外壁というのは毎日目にする割に、見映えに慣れてしまって、その「劣化」に気づきにくい。だからこそ、傷んでからでは遅く、モルタルやタイルの浮きは、落下して大きな事故に繋がりかねない。














三)私たちが手掛けている外壁改修工事というのは、単なる“見た目の化粧直し”ではなく、構造体を守る、いわば建物の「肌」と「免疫力」を保つための治療みたいなもの。私たちはそれを十分理解した上で調査診断しなくてはならない。















四)ひび割れや浮き、爆裂、チョーキング、鉄筋の錆、シーリングの劣化など、一見わからなくても、足場を組んで間近で見てみると、建物は想像以上に傷んでいたりする。特に、築20年を超えてくると、ほぼ例外なく「どこかしら」問題が出ている。















五)外壁は、常に雨・風・紫外線にさらされている。毎日殴られ続けてるようなもので、人間の皮膚だったら、とっくにボロボロになっている感じだ。外壁の仕上げ材にもよるが、塗装仕上げだとかなり痛んでいるはずだ。














六)それでも建物から発っせられる悲鳴はないので、私たちがそれに気付いて、診て、必要な適切な治療をしてあげないといけない。私たちの仕事はそういうものだと思っている。いわゆる建築外科医みたいなもの。ビルディングドクターという資格もそういう意味からきていると思う。














七)工事は、足場を組んで、タイルを診て、浮いてるところにはエポキシ樹脂を注入し、目地のシーリングは打ち替えて、塗装の浮いている箇所は剥がして下地処理の上に再塗装して膜厚を確保する。とにかく一つひとつが地味な積み重ねだけれど、それが、10年、15年後の安心に繋がる。















八)ちなみに建物の「美観」ってその建物の利用者の心理に影響する。たとえばマンションであれば入居率に影響するし、商業施設であれば集客に影響する。工場や会社であれば社員さんのエンゲージメントにも大きく影響するだろう。















九)建物の資産価値を守るのは、こまめな手入れだ。人も建物も、年を重ねるごとに「手のかけ方」がものを言う。私たちはそのスペシャリストでありプロフェッショナルでなければならない。それが私たちの強みであり使命なのだ。















十)『建物は社会の器』と言われているが、その建物を守っているのが屋根や防水、外壁だ。建物を守ることは社会を守ることであり、外壁改修は建物の未来を守る仕事なのだ。それを支えるのは私たち施工会社の技と専門知識である。

 
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2025年10月08日

防水工事について

一)防水工事という言葉は、一般の人にとっては少し遠いかもしれない。だが、私たちの世界では、毎日のように耳にする、ある意味“生命線”のような言葉。見えないところで、建物を守る。「水を制するは建物を制する」という言葉通り、これが防水工事の本質だと思う。














二)私がこの業界に飛び込んだのは30年以上前。最初に現場で経験したのがシーリング工事だった。夏はアスファルトが溶けるほどの暑さ、冬は指先がかじかむような寒さの中、黙々とヘラやローラーを動かしていた日々を今でも忘れない。あの時の「手応え」が、今の原点になっている。















三)雨漏りは突然起こる。昨日まで何ともなかった天井が、今日にはぽたりと音を立てて、多くの人はその時に初めて「防水」の存在を意識する。でも実際には、ずっと前から兆候があったはずで、ヒビ、浮き、排水の詰まりなど小さなサインを見逃さないことがプロの仕事だ。














四)だからこそ、私たちは「事後対応」より「予防的改修」を大切にしている。壊れてから直すのではなく、壊れる前に守る。これは人間の健康管理と一緒で、定期健診のように、建物にも定期的な点検と予防が必要だと思う。実際、定期点検をしていた物件は、寿命が大きく延びる。














五)防水材には様々な種類があり、ウレタン、シート、FRP、アスファルトなど現場ごとに最適な工法は変わる。どれを使えば良いかは、建物の構造、立地、築年数、日当たり、排水勾配などを見極める“診断眼”が求められる。まさに建築外科医のような仕事だ。














六)職人の技術も大きな要素で、防水工事は見た目に派手な作業ではないが、仕上がりに大きな差が出る。膜厚のムラ、端部の納まり、立ち上がりの処理などすべてが水を通すか否かに直結する。地味だけど奥が深い、まさに“匠”の世界だと思う。














七)私たちの会社では、防水保証を10年間つけている。そして年に1回、無料の定期点検をしている。それは自信の表れでもあるし、なにより「長く付き合いたい」という想いの表れでもある。工事が終わった瞬間が、実は本当のスタートなのだ。














八)うちでも、3Dスキャンやドローン、赤外線カメラを活用した診断も増えてきた。常に技術は進化している。でも最終的に判断するのは人間の目と知識だ。だからうちでは、技術者の研修を毎週1回、就業時間内に開催したり、技能や資格取得を積極的に支援している。














九)防水工事とは、「見えない安心」をつくる仕事だ。建物の中にいる人たちが、雨の日も晴れの日も、何も気にせず過ごせること。それを当たり前にするのが、私たちの使命だと思っている。誰かに気づかれなくてもいい。でも、守っているという誇りは、胸に持ち続けていたい。














十)私もこう見えて一級防水技能士。今日もまた、どこかの屋上で技能士たちが黙々と手を動かしている。その姿を見て、私はいつも思う。「雨を止める」って、すごい仕事だなと。目立たないけど、誰かの暮らしを支えている。そんな誇りを、これからも大切にしていきたい。


 
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2025年09月16日

人事について

一)先日、リクルート用のショート動画の撮影にあたり、私の生い立ちや創業するまでの経緯、創業したいと思った動機、創業時の苦労話などを話す機会があって、改めて今のお客様や社員との御縁に深く感謝したいと思った。














二)まだそのショート動画は編集中で完成していないが、滑舌の悪い私の映りは別として、多くの若者に熱い思いが伝わればいいなと期待している。ただ最近の若者はあまり熱いのは好きじゃなさそうで、期待されることも嫌うらしいので、どう受け止められるか微妙だ(汗)。













三)そんなモヤモヤしていたときに、イオン創業者・岡田卓也を経営者として育て上げた姉の小嶋千鶴子の生き様を書いた本『イオンを創った女 ― 評伝 小嶋千鶴子(東海友和著/プレジデント社)』を読んで、そのモヤモヤが吹っ飛んだ。私がノートに書き写した一部を紹介したい。※印は私の勝手な所感。













四)P37:規模の拡大こそが企業の存続を可能にし小売業の近代化に結びつく。それがひいては多くの社員の生活も保証することになる。※創業時から貫いたこのような強い思いが、日本一の巨大流通グループを築き上げたのだと思う。













五)P66:成功するかしないかは何を選択し、限られた時間とお金をどう配分するか、まさにそれは知識と技術に他ならない。つまり心的態度なのである。多くの成功した人とは終生謙虚に目標をもち学び続ける人たちである。※またその目標への執着心が大切だと思う。最近特にそう思う。














六)P76:肩書よりも責任を重んじる人に人はついていき、ともに何かを成し遂げることができる。※肩書に固執する人は判断する基準が違うし、そういう上司についていきたいと思う部下はいない。肩書に関わらず自分に求められている義務や責任を全うする人が上司として相応しい。














七)P78:一度去った人物を再度雇用することはなかったし、退職を願い出た社員を引き留めることはなかった。去る者は追わずというのが人事の基本である。※昨今の深刻な人手不足の建設業界では、去った人物も再雇用したいし、退職したい人物も引き留めたいところだろう。














八)P109:退職時に面接を実施して真の理由を聞いたところ、それまで気が付かなかった会社の諸問題が提起された。早速改善したところ離職率は低下した。※退職したい人を決して引き留めないが、面接して社内の問題を洗い出すということ。これは我が社も取り入れる。














九)P126:財務諸表による評価が下がることよりもっと企業を蝕む行為は明日のための投資(設備投資・人材育成投資など)を抑制または削減するような施策をとることである。※経営者として当然、財務諸表は気になるが、うちも採用と教育にはしっかり投資しているつもりだ。













十)P141:小嶋は「保守的な人間の経験は決して創造を生み出すことはない」とまで言う。保守的な人間を身近に置かない。これに尽きる。※特に昔からの慣習が色濃く残る建設業界で、この言葉は業界の変革を後押しする、現代でも十分通用する言葉だと思う。

 
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2025年08月27日

雑談について

(一)「コミュニケーション」という言葉が使われるようになって久しい。改めて意味を調べると「人々が言葉や身振り、表情などの手段を用いて、互いの考え、感情、情報を伝え合い、共有すること」という意味らしい。最近では人材に求められる要素の中にも「コミュニケーション力」がある。













(二)ただコミュニケーションも目的や場所によって、方法もマナーも優先順位も違う。業務上のコミュニケーションであれば報連相がメインだから「結論→理由→詳細」という順番になるし、説明や説得であれば「これです(結論)→なぜならば(理由)→たとえば(事例)→だから(結論)」という具合になる。













(三)でも人間関係を深めたり、新しい情報や気付きを得るためには、通り一辺倒なコミュニケーションや会話ではなかなか得られない。そういうものは得てして他愛もない話とか、全く関係ない話題や雑談の中から生まれるものだと思う。














(四)そこでこの度、読んだ『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか(ビョートル・フェリクス・グジバチ著/クロスメディア・パブリッシング)』の中で私がノートに書き留めた言葉の一部を紹介したい。日頃もぜひ心掛けたい。※印は私の勝手な所感。














(五)P59:世界のビジネスマンが雑談に求めているのは「リベラルアーツ」です。世界のビジネスマンは雑談を学びの場と考え、お互いの人生を豊かにするための情報を「やりとり」する時間と捉えています。※確かに外国人は笑顔で雑談やジョークばかり言っているような印象を受ける。














(六)P69:新入社員や仕事のできないビジネスマンには、名刺交換を終えると名刺ばかりに注目して、相手の表情やその日の様子をまったく確認しない人が少なくありません。※なるほど。私もこの仕事ができないビジネスマンの一人だ。ずっと名刺を見ながら話をしてしまう癖がある(苦笑)。














(七)P78:雑談を大事にすることは相手を大事にすることとイコールです。※この言葉は刺さった。私は生来、短気でせっかちなので、雑談や他愛もない話などはついつい無駄に感じて早く切り上げて、次へ進めようとしてしまう。














(八)P105:パフォーマンスを出しているチームとパフォーマンスを出していないチームの働き方を比較分析するという試みをしてみて、その結果雑談をしたチームの方が圧倒的にパフォーマンスが上回っていることが明らかになったのです。※これは雑談によってお互いの距離が縮まってチームビルディングがうまくいったということ。













(九)P123:日本のビジネスマンが愚痴をこぼして「ガス抜き」をしているのに対して海外のビジネスマンは雑談を通して可能性や解決先を探しています。※私は基本、愚痴はこぼさないので、愚痴を聞くのも苦手だが、困ったときやピンチの時でも雑談をするくらいのゆとりが欲しい。














(十)なんでもかんでもすべて雑談がパフォーマンスに繋がるとは思わないが、自己開示をするいいきっかけになると思う。ただ、ここではっきり区別しておきたいのは、他人の悪口や中傷、噂話などと、ここでいう雑談は全く違うということだ。

 
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