一)最近、人を採ることにエネルギーを使っている。施工管理、営業、職人、事務。どの職種も足りていない。お陰様で有難いことに仕事の依頼は増えているが、一緒にやれる仲間が追いついていない。このままだと、チャンスを逃すか、今のメンバーに負担がかかる。
二)会社を大きく成長させるためには、「いい人」と一緒にやれるかどうか。何をやるか、よりも、誰とやるか。数字を伸ばすより、現場を支える「人」をどう育てるかの方が、よっぽど難しいし、やりがいもある。
三)今はどの業界も同じだろうが、建設業界も例外ではなく圧倒的に人が足らない。若い人も減っている。イメージも3K(きつい・汚い・危険)と言われて正直あまり良くない。だからこそ、こちらから歩み寄らないといけないと思っている。待ってるだけでは誰も来てくれない。
四)うちの会社にはサウナがある、誕生日にプレゼントが届く、月一の食事会も会社が全額出してくれる、BBQや焼鳥、タコパ設備も完璧、ボーリング大会もある。一見遊んでるように見えるかもしれないが、社員が楽しそうに働いてる会社に人が集まる。私も楽しい(笑)。
五)みんなで一緒に考えて、現場で一緒に汗をかいて、仲間と本気本音で話す。そんな毎日の中で「ここに入ってよかった」と思ってもらえたら、それが一番うれしい。ちなみにうちは『顧客を支え、仲間を愛し、地域を守ろう』というPOLICYを掲げて毎朝唱和している。
六)人の採用というのは、結局は仲間集め。誰をバスに乗せるかということ。履歴書より、会って話したときの空気感を信じたい。最後はスキルよりウィルだと思う。「こいつと一緒に遠くまで行けるか」という基準で判断した方がうまくいくことが多い気がする。
七)施工管理はハードな仕事。朝も早いし、雨も風もある。トラブルもある。でも、それでも「やってよかった」と思えるのが、この仕事の面白さだと思う。現場を動かす責任と誇りがある。無事に工期通りに工事を完了させたときの達成感は感無量。
八)営業も同じだと思う。工事をとってくるのは決して簡単ではない。規模が大きくなればなるほど競合も増えるし難易度も上がる。しかし、お客様から信頼されて、発注を頂いたときは何物にも代えがたいくらい嬉しい。そうやって人と人とのつながりの中で、結果がついてくる。
九)うちに興味を持った人は、まず会社を見に来てほしい。面接とか選考とかじゃなく、見学、視察という軽い感じでいい。現場も社内も、全部見てもらえばいい。隠すものは何もないし、むしろ、今のありのままを見てほしい。
十)人が変われば会社が変わる。会社が変われば、社会が少しだけ良くなる。そう信じて、今日も履歴書だけじゃなく「人」を見ていきたい。人生の大事な時間を預かる以上、こちらも覚悟を持って真正面から向き合いたい。
一)防水工事という言葉は、一般の人にとっては少し遠いかもしれない。だが、私たちの世界では、毎日のように耳にする、ある意味“生命線”のような言葉。見えないところで、建物を守る。「水を制するは建物を制する」という言葉通り、これが防水工事の本質だと思う。
二)私がこの業界に飛び込んだのは30年以上前。最初に現場で経験したのがシーリング工事だった。夏はアスファルトが溶けるほどの暑さ、冬は指先がかじかむような寒さの中、黙々とヘラやローラーを動かしていた日々を今でも忘れない。あの時の「手応え」が、今の原点になっている。
三)雨漏りは突然起こる。昨日まで何ともなかった天井が、今日にはぽたりと音を立てて、多くの人はその時に初めて「防水」の存在を意識する。でも実際には、ずっと前から兆候があったはずで、ヒビ、浮き、排水の詰まりなど小さなサインを見逃さないことがプロの仕事だ。
四)だからこそ、私たちは「事後対応」より「予防的改修」を大切にしている。壊れてから直すのではなく、壊れる前に守る。これは人間の健康管理と一緒で、定期健診のように、建物にも定期的な点検と予防が必要だと思う。実際、定期点検をしていた物件は、寿命が大きく延びる。
五)防水材には様々な種類があり、ウレタン、シート、FRP、アスファルトなど現場ごとに最適な工法は変わる。どれを使えば良いかは、建物の構造、立地、築年数、日当たり、排水勾配などを見極める“診断眼”が求められる。まさに建築外科医のような仕事だ。
六)職人の技術も大きな要素で、防水工事は見た目に派手な作業ではないが、仕上がりに大きな差が出る。膜厚のムラ、端部の納まり、立ち上がりの処理などすべてが水を通すか否かに直結する。地味だけど奥が深い、まさに“匠”の世界だと思う。
七)私たちの会社では、防水保証を10年間つけている。そして年に1回、無料の定期点検をしている。それは自信の表れでもあるし、なにより「長く付き合いたい」という想いの表れでもある。工事が終わった瞬間が、実は本当のスタートなのだ。
八)うちでも、3Dスキャンやドローン、赤外線カメラを活用した診断も増えてきた。常に技術は進化している。でも最終的に判断するのは人間の目と知識だ。だからうちでは、技術者の研修を毎週1回、就業時間内に開催したり、技能や資格取得を積極的に支援している。
九)防水工事とは、「見えない安心」をつくる仕事だ。建物の中にいる人たちが、雨の日も晴れの日も、何も気にせず過ごせること。それを当たり前にするのが、私たちの使命だと思っている。誰かに気づかれなくてもいい。でも、守っているという誇りは、胸に持ち続けていたい。
十)私もこう見えて一級防水技能士。今日もまた、どこかの屋上で技能士たちが黙々と手を動かしている。その姿を見て、私はいつも思う。「雨を止める」って、すごい仕事だなと。目立たないけど、誰かの暮らしを支えている。そんな誇りを、これからも大切にしていきたい。